事実上の一騎打ちの相手となったのは、同じ40代弁護士(そして名前も同じ「あきら」)で、市議会の自民党系2会派が推した丸山彬氏。1万票以上の差をつけての勝利だったが、背景に何があったのか。
前橋市の有権者の「脱しがらみ」の希望
まず、ラブホ問題に関しては全国の人々が1億総コメンテーター状態になったものの、前橋という街が抱える政治課題や街に流れる空気感は、前橋に暮らす人にしかわからない。
ラブホ問題に怒った前橋市外の人間のどれだけが前橋市政に関心を寄せただろうか。常日頃、広島という地方で暮らしながら、全国メディアと地方メディアとの間での地域報道に関する違いや温度差を感じるだけに、そう思う。
その上で、この結果をもたらしたものは何か。丸山陣営は、「前橋に○(まる)を」と記したのぼりを掲げていたが、それは丸山という姓にちなんだだけでなく、ラブホ問題という「×」への強調を込めてだっただろう。
しかし結果的には、×が○に勝った。その要因として3点ほど考えられることがある。
まず1点目は、シンプルに「○」を掲げた相手候補に具体的な「○」が見えなかったところ。新人に実績がないのは当然だし、急な選挙戦での準備不足も否めないだろうが、具体的な施策を打ち出しきれていないように見えた。
至極当然だが「×がない=○」ではない。小川氏は、群馬県議を4期務めた後、2024年の前橋市長選で3期12年務めた自公推薦の男性候補を破って4選を阻み、学校給食費の無償化など具体的な実績を積み重ねてきた。
多選に「×」を示し、市政の刷新を求めた有権者たちにしてみれば、同じく自公の推薦を受けた丸山氏の方にむしろ「×」のイメージがついて回ったのではないか。