衆議院選挙で高市早苗首相の街頭演説に集まった人たち(2026年2月3日、埼玉県東松山市/写真:共同通信社)
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 2つの大博打。勝ったのは高市早苗首相だった――。自民党内ですら想定しなかった奇襲解散で始まった真冬の衆議院選挙は、自民党が戦後最多の316議席を獲得し歴史的大勝を収めた。新党結成にかじを切った立憲民主党と公明党の中道改革連合は、選挙前の167議席から49議席まで激減する大惨敗。引責辞任した野田佳彦、斉藤鉄夫の両共同代表に代わり、立憲の幹事長を務めたことのある小川淳也氏が2月13日の代表選で新代表に選ばれた。

 選挙は発足来6~7割台の高支持率を維持する高市内閣の圧倒的人気が「熱狂」となって自民党を「爆勝」させた形だが、現場で何が起きていたのか。「日刊ゲンダイ」第一編集局長の小塚かおる氏がレポートする。

小沢一郎氏の予言と「顔」を巡る大博打

 衆議院が解散された1月23日。本会議が始まる前に小沢一郎氏に取材した。数多の政変や政界再編を仕切ってきた政界の重鎮が、自らも立憲から移った中道という新党について、どう考えているのか聞きたかったからだ。小沢氏の評価は予想以上に厳しかった。

「2つが一緒になって人気が上がってるか? 思ったほどじゃないだろう。新聞の世論調査じゃ国民民主党や日本維新の会とどんぐりの背比べだ。それじゃあ話にならない。だからダメだって言ったんだ。協力するのはいいけれど、今までと同じ古くさい顔が出てきたんじゃダメだって言ったんだ」

──ダメだと言ったというのは、新党結成前に話を聞かされて?

「もちろん。野田、斉藤では絶対ダメだって。新しい党にするなら、新しい人を立てないと今までと同じじゃないか。(創価)学会と協力するのは、それはそれでいいけれど、シャッポを変えないと、顔を変えないと意味がないって言ったんだ」

衆院選で落選し、1969年の初当選以来、初めて議員バッジを外すことになった小沢一郎氏(写真は2025年7月撮影/共同通信社)

 今までと同じ古くさい顔……。まさに、その党首の顔が今回の選挙を左右した大きな要因の1つと言える。代表の辞意表明後、中道の野田氏も自らと斉藤氏について「時代遅れ感がつきまとった」と話した。

 衆議院の解散を表明した高市首相の記者会見でのこの発言。

「高市総理。そうでなければ、野田総理か、斉藤総理か、別の方か。間接的ですが、国民の皆さまに内閣総理大臣を選んでいただくことにもなります」

 高市首相が狙った“争点”設定どおりの選挙になった結果が、自民党の歴史的大勝だ。

当確者の名前にバラを付ける自民党総裁の高市早苗首相(2026年2月8日、写真:共同通信社)