消費減税は実現の可能性が上がっている(写真:共同通信社)
衆院選に大勝したことで、高市首相は自らが望む政策を推進しやすい状況になった。長期政権を目指す上でも公約実現を極力図ろうとするだろう。2026年夏頃までの半年が「責任ある積極財政」の実現へ向けた山場になる。予算関連法案、消費減税(国民会議)、骨太方針、概算要求の動向は特に注目されるポイントだ。この記事では、今後の財政運営の注目点を改めて指摘する。(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)
2月8日に実施された衆議院総選挙において、高市首相率いる自民党は316議席を獲得、定数465の3分の2を超える歴史的な大勝を収めた。単独の政党としては、2009年の政権交代時に民主党が獲得した308議席(定数480)を超え、過去最多である。
特に、単独で3分の2超を確保した影響は大きく、政局は当面安定する可能性が高い。
ここ1年半ほど政局が不安定だったのは、石破前政権が衆参両院の選挙で敗北、少数与党に陥っていたためだ。国会で予算や法案を成立させるため、与党は野党各党の要求を受け入れ、時には駆け引きをする必要があった。また、与党である日本維新の会ですら、自民党に対する交渉力を確保するため、連立政権からの離脱を交渉カードとして用いた。
だが、自民党が衆議院において単独で3分の2超を確保したことで、参議院で否決された法案を再可決できるようになった。
2月9日の自民党総裁会見で、高市首相は参議院で与党が過半数を有していない状況に変わりがないため、政策実現に向けて引き続き野党の協力を仰ぐ方針を示しており、再可決を積極活用する姿勢ではないとみられるが、いざとなれば踏み切るケースもあるだろう。
自民党大勝により、党内では高市首相の求心力が高まっている。当面、高市首相の足を引っ張るような派閥間の争いなどは起きづらい。同時に、日本維新の会は連立離脱カードを使いづらくなった。
野党による内閣不信任決議案も出づらい状況だ。衆議院で野党第一党の中道改革連合は49議席にとどまり、不信任決議案を単独で提出できる51議席に届かない。自民党の内外で政局は安定し、高市首相は自らが望む政策を推進しやすい環境が整っている。
