衆院を解散した高市首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)
1月23日召集の通常国会冒頭において、高市首相は衆議院を解散した。1月27日公示、2月8日投開票の日程で総選挙が実施される。
国政選挙では、与党が一定の議席数を超えるか否かで時の政権の勝敗が決まる。また、首相の与党内での求心力や国会運営の円滑さなど政策推進にも影響する。本稿では、総選挙における勝敗ラインなど目安となる議席数について整理し、選挙結果次第で政局がどのように動くかを論じる。
与党に重要な議席数は「4つ」
衆議院の重要な議席数のラインとしては、233、244、261、310の4つが挙げられる。
まず、233議席は「過半数」のラインにあたる。各政党は、単独もしくは連立により、465の総議席数の過半数である233議席の獲得を目指す。衆議院において過半数を確保した政党が、内閣総理大臣を指名して政権与党となる。
次に、244議席は「安定多数」と呼ばれるラインだ。日本の国会は、本会議よりも委員会での議案審議を重視する委員会中心主義を採っている。
国会法第56条第2項では、発議または提出された議案が、原則として委員会での審査を経た上で、本会議で議決される旨を定めている。このため、与党が法律や予算を円滑に成立させるためには、本会議で過半数を確保するのみならず、委員会での審議を有利に運べる議席数を確保する必要がある。
244議席あれば、全17の常任委員会で委員長を独占し、かつ委員の「半数」を確保できる。与党は安定多数を確保すれば、委員会採決が同数で割れても、委員長決裁で可否を決められる。
261議席は「絶対安定多数」と呼ばれるラインだ。261議席あれば、全ての常任委員会で委員長を独占し、かつ委員の「過半数」を確保できる。与党は絶対安定多数を確保すれば、委員長決済に頼ることなく議案の可否を決めることができ、より円滑な国会運営が可能となる。
最後の310議席は、465の総議席数の3分の2に相当する。憲法改正を発議するには、衆参両院で総議員の3分の2以上の賛成が必要だ。また、衆議院を通過したものの参議院で否決された法案は、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば成立する。