補正予算ありきの予算編成とは訣別を

 高市首相は2月9日の総裁会見において、「毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成とは決別する」「必要な予算は、やはり当初予算で措置すべく、今年夏の令和9年度(2027年度)予算の概算要求から本格的に取り組む」と言及した。

 近年は当初予算と補正予算の線引きが曖昧となり、予算管理上の問題となっている。具体的には、補正予算に恒常的な歳出が事実上計上され、補正予算の規模が縮小しづらくなっている。

 当初予算で新規国債発行額を抑制するなど健全財政を強調しても、補正予算で規模を競う動きが生じるなど、ダブルスタンダードとなっており、財政規律が働きづらい元凶となってきた。高市首相の方針が実現すれば、予算編成の抜本的な改革と評価されるだろう。

 なお、2026年度補正予算では、GDP比2%目標の前倒し達成に向けた防衛費積み増しが計上される見込みだ。防衛費を例外として、2026年度補正予算から2027年度当初予算(概算要求)に経常的な経費の振り替えが行われる。補正予算は、急を要する災害・復旧対策や臨時の景気対策などに絞り、当初予算と役割の違いを明確化することが望ましい。

【宮前 耕也(みやまえ こうや)】
SMBC日興証券㈱日本担当シニアエコノミスト
 1979年生まれ、大阪府出身。1997年に私立清風南海高等学校を卒業。2002年に東京大学経済学部を卒業後、大阪ガス㈱入社。2006年に財務省へ出向、大臣官房総合政策課調査員として日本経済、財政、エネルギー市場の分析に従事。2008年に野村證券㈱入社、債券アナリスト兼エコノミストとして日本経済、金融政策の分析に従事。2011年にSMBC日興証券㈱入社。エコノミスト、シニア財政アナリスト等を経て現職。
 著書に、『アベノミクス2020-人口、財政、エネルギー』(エネルギーフォーラム社、単著)、『図説 日本の財政(平成18年度版)』および『図説 日本の財政(平成19年度版)』(東洋経済新報社、分担執筆)がある。