高支持率を維持する高市早苗首相だが、課題は山積している(写真:共同通信社)
自民党と日本維新の会の新たな連立枠組みで高市早苗政権が発足して2カ月。自民党結党以来、初めての衆参少数与党という厳しい船出だったが、高い内閣支持率の世論の後押しを受け、臨時国会を乗り切った。一方で、台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」と国会答弁し、外交問題に発展するなど危うさも見え隠れする。高市政権は来年も安定した政権運営を続けられるのか。顕在化してきた“4つの死角”について、「日刊ゲンダイ」第一編集局長の小塚かおる氏がレポートする。
6~7割台を維持する高支持率の理由
なぜ高市内閣はこれほど支持率が高いのか?――。
そんな疑問をよく投げかけられる。報道各社の12月の世論調査でも6~7割台を維持している。
注目は、支持の理由で「指導力がある」「実行力がある」が高いことだ。例えば共同通信の調査では、発足直後と1カ月後を比較すると「首相に指導力がある」が10ポイントも増えていた。
そこには、岸田文雄政権、石破茂政権からの反動もあるのではないか。特に就任前、党内野党的な立場で歯に衣着せぬ発言を繰り出し世論人気の高かった石破前首相が、「この人なら何か変えてくれそう」という期待を裏切ったことが大きいように思う。
高市政権はそんな高支持率を追い風に自民党内の不満分子を黙らせ、維新を除名された無所属議員を取り込んで、衆議院は11月末に過半数の233議席を回復。参議院はまだ過半数(125)に6議席足りないものの、18兆3000億円規模となった今年度の補正予算案は、すんなり成立した。
自民と維新の与党に加え、国民民主党と公明党がそれぞれ、自党の要望が盛り込まれたとして賛成したからだ。
臨時国会が閉幕し、記者会見する高市首相(2025年12月17日、写真:共同通信社)