大勝の代償、形骸化する国会審議への危惧

 高市首相の奇襲解散と立憲・公明の新党結成。2つの大博打は高市氏に軍配が上がった。

 もちろん、中道の壊滅的な敗北については、あの短期間で新党は無理があった、安全保障や原発政策で立憲が変節したとしてリベラル層が離れた、そもそも中道とは何なのか有権者に伝わらなかった、など中道自体に敗因はある。

 だが、「国論を二分する政策に挑戦したい」としながらも、政策についてほとんど語らず「私を選ぶか、否か」の1点選挙に絞り込んだ高市首相がシタタカだったということだ。中道は野田・斉藤を共同代表にし、「比較第一党を目指す」とした時点で、政権選択選挙から脱落していた。

衆院選から一夜明け、記者会見に臨む中道改革連合・元共同代表の野田佳彦氏(右)と斉藤鉄夫氏(2026年2月9日、写真:共同通信社)
中道改革連合の新代表に選出された小川淳也氏(2026年2月13日、写真:共同通信社)

 その高市首相は早速、水面下で「数は力」の動きを見せている。

 衆院選後の特別国会が2月18日に召集されるが、与党大勝を受けて、高市首相が召集日を16日に前倒しするよう伝えていたという。1日でも早く国会を開いて、絶望的とされる新年度予算案の年度内成立にこぎつけたい、ということらしい。

 さらに、召集日は動かなかったが、自民党幹部に対し「迅速な予算審議」を指示したという。これを受け、与党の質問時間を削るなどして予算審議を短縮する案が検討されている。

 早期の予算成立を目指すことは、一見、国民生活重視のスピードや実行力に思えるが、そうじゃない。審議時間の短縮は国会形骸化の第一歩だ。予算成立を後回しにして「今なら勝てる」の身勝手な解散総選挙をやりながら、大勝に終わればこの通り。

 自民に票を投じた人たちも、今後の国会審議と高市首相をしっかりウォッチする必要がある。