2025年10月29日、韓国・慶州市の国立慶州博物館で行われた首脳会談前に握手するトランプ大統領と李在明大統領(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 トランプ米大統領が、韓国からの全輸入品に対する関税を15%から再び25%に引き上げると「奇襲宣言」を行った。

 国会手続きを口実に対米投資の執行を先延ばしにしている李在明(イ・ジェミョン)政権に対する不信感に加え、米国に本社を置くEコマース企業「クーパン(Coupang)」に対する韓国政府の全面的な圧迫が、米韓合意に違反すると判断した模様だ。

「遅延戦術」を疑われた韓国政府

 トランプ大統領は現地時間26日、自身のSNSで「韓国製の自動車、木材、医薬品だけでなく、すべての韓国からの輸入品に対する関税を15%から再び25%へ引き上げる」と宣言した。

 その理由として、昨年合意された「共同ファクトシート(共同説明資料)」履行のための特別法(対米投資特別法など)を韓国国会がいまだ通過させていない点を挙げているが、本音は韓国政府が約束した3500億ドルの対米投資が速やかに履行されていないことへの不満とみられる。

 昨年11月13日に合意された共同ファクトシートについて、李在明政権と与党は「条約ではなくMOU(了解覚書)レベルであるため、国会批准は不要」と判断。その代わり、「韓米戦略的投資管理のための特別法案」を国会に提出し、投資履行の法的根拠を作るという立場をとっていた。

 問題は、昨年11月26日に提出された同法案が国会の企画財政委員会に係属したまま、法制司法委員会や本会議の議決手続きが残っていることだ。トランプ大統領は、国会を掌握する与党と李在明政権が、立法手続きを口実に対米投資を意図的に遅らせる「遅延戦術」を使っているとみなしたのだ。