11月14日、ソウルの大統領府で記者を前に米国との安全保障・通商交渉に関する共同ファクトシートについて自ら説明する李在明大統領(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 11月14日、米ホワイトハウスと韓国大統領府は、10月29日に開かれた慶州・米韓首脳会談の結果を盛り込んだ、安全保障・通商交渉に関する「共同ファクトシート」(JFS=共同説明資料)をそれぞれ発表した。

 韓国では、異例なことに、李在明(イ・ジェミョン)大統領が発表者として前面に出て、首脳会談の主要議題として取り上げられた通商と安保分野に対する両国首脳の会談内容を説明した。「合意文」でもない「説明資料」を大統領が自ら発表するという前代未聞の行動は、「成果」に対する李大統領の自信のほどを表すものと言えよう。

「成果」を誇る李在明大統領

 14日、共同ファクトシートの発表の場には、李大統領をはじめ韓国の大統領府の面々が顔を揃えた。真っ先に演壇の中央に立った李大統領は「韓米双方に最善の結果を作り出すことができた」と胸を張った。

 対米投資に関しては、「韓国経済が十分に耐えられる範囲で商業的合理性のあるプロジェクトに限って投資することになる」と改めて強調し、「一部の不信と憂慮が確実に払拭された」と主張した。

 安保関連協議内容では「韓国の長年の宿願事業である核推進潜水艦建造推進に合意」「核原料再処理権限拡大に対する米国政府の支持を確保」「戦作権転換に対して米国の支持」などを大きな成果だと説明した。

 同日、韓国の大統領府が発表したJFSに含まれた対米投資の最終的な規模は、従来の2000億ドルの直接投資と1500億ドルの造船ファンド投資のほかに、330億ドルの在韓米軍支援費、1500億ドルの韓国企業の投資も明示されている。

 さらに、米ホワイトハウスが発表したJFSには、大韓航空のボーイング機購入(360億ドル)、年間330万トンのLNG輸入と2030年までに韓国政府が250億ドルの米軍事装備を導入するという内容も含まれた。これを全部合わせると、韓国の米国への投資金額は当初の3500億ドルから6000億ドル近くまで増えることになる。