トランプ大統領が慶州・米韓首脳会談を終えた直後、「(韓国が)追加で米国の石油と天然ガスを大規模に購入することにした。富裕な韓国企業と事業家の米国に対する投資は6000億ドルを超過するだろう」とXに上げたが、実際、政府・企業の既存案件まで含めて積み上げると、トランプ氏が吹聴した「6000億ドル」規模に近い水準になる、と言える。
10月29日、韓国・慶州の国立博物館で行われる首脳会談に先立ち握手する、韓国の李在明大統領(右)と米国のトランプ大統領(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
また、韓国は米国産自動車の輸入とデジタル分野に対する一部の非関税措置を見直し、手続きの簡素化や規制の緩和に合意、米国産農産物に対しても専門窓口である「USデスク」を設置することを約束するなど、米国側の要請が色濃く反映されている。
メディアが不審がる「原潜建造」合意の中身
一方、米国は韓国産自動車および部品、原木・製材木と木材製品に対する関税を15%に引き下げ、医薬品に対しても15%を超過しないように適用する。半導体関税は米国が判断するに、韓国の半導体交易規模以上の半導体交易を対象にする未来合意で提供される条件より不利でない条件を付与する。
安保協力部分では、韓国が国防予算をGDPの3.5%に引き上げ、在韓米軍に対する包括的な支援(従来の防衛費分担金+330億ドル)、米国産軍事装備の購入(250億ドル)などを約束した代わりに、米国は、韓国の核推進潜水艦建造の承認、ウラン濃縮と使用済み核燃料炉の再処理の支持、戦時作戦統制権返還に協力、完全な北朝鮮非核化と拡張抑制を再確認することを約束した。
――というのが発表の概要だが、韓国メディアが首をかしげるのは、安保分野についてだ。特に李在明政権が「最大の成果」としてアピールしている米国の核推進潜水艦の建造承認とウラン濃縮と使用済み核燃料再処理支持に関しては“宣言的意味”に終わっただけで、実際に推進されるには至難な交渉過程が必要だと指摘している。