2026年ミラノ・コルティナ五輪のフィギュア団体で銀メダルを取った日本(写真:スポーツ報知/アフロ)
(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)
ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケート日本代表が、団体戦で2大会連続の銀メダルを獲得した。
強豪のロシアが不在であるという事情があるとはいえ、金メダルの米国に1ポイントの僅差と大健闘。長らく世界トップクラスにある男女シングルに加え、かつて“弱点”といわれたカップル競技でも、ペアの三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が世界のトップに君臨する。
一方で、絶対王者と称された羽生結弦さんらのプロ転向に伴い、彼らが高めた競技スケートの人気、注目度の“貯金”は少しずつ切り崩されてきた。
国内リンクの数も減少傾向にあり、次世代スケーターたちの足元は揺らぎつつある。
ペアとアイスダンスが弱かった日本のフィギュア
フィギュアの団体戦は、男女のシングル、ペア、アイスダンスの4種目で、フィギュア競技の国としての総合力が争われる。
五輪団体戦の源流は、2009年から日本を舞台にほぼ2年に一度、開催されてきた世界国別対抗戦にあり、五輪での初実施は2014年ソチ大会だった。
団体戦には10チームが出場し、それぞれの種目でショートプログラム(SP、アイスダンスはリズムダンス)を実施し、1位が10点、2位以下は1点ずつ獲得ポイントが下がる。
4種目を終えた時点での合計得点で上位5チームがフリーに進み、同じく1位が10点で、2位以下は1点ずつ獲得ポイントが下がり、全ての合計得点で最終的な順位が決まる。
日本の団体戦の戦いの歴史を振り返ると、ソチ五輪当時の日本は、男女のシングルが世界トップクラスの層の厚さを誇ったのに対し、ペアとアイスダンスは世界と大きな開きがあった。
男女が一緒に滑るカップル競技は日本の文化になじみにくいとされ、競技者が少なかった。特にペア競技では、スロージャンプやリフトなどダイナミックな技の練習に危険が伴うため、リンクを貸し切って使う必要もあるという。国内には体格に恵まれ、パワーも備わる男子スケーターも見当たらなかった。
