© 2024 L.F.P. - LES FILMS PELLEAS / FRANCE 3 CINEMA
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 親は障がいを持つ子どもをどのように受け入れ、どのように手放すのか。発達に遅れがある30歳を過ぎた一人息子の本心を知り、彼の独立を受け入れるまでのシングルマザーの心の揺れを描いた『私のすべて』。

 フランス人のアンヌ=ソフィー・バイイ監督は本作でヴェネチア国際映画祭オーサーズ・アンダー40賞最優秀監督賞、ソッリーゾ・ディヴェルソ賞最優秀外国語映画賞、フィルム・インプレッサ特別賞の3冠を達成。

 以前、紹介した『犬の裁判』では共同脚本を務めている。医療従事者の家庭で育ったバイイ監督は、ケアする人とされる人、美しくも葛藤のある関係性に創作意欲を掻き立てられるという。

障がいのある息子を守り育ててきた母親に不意に告げられたショッキングな事実

 パリ郊外の小さなアパートで、一人息子、ジョエルを一人で育ててきたシングルマザーのモナ。30歳を超えたジョエルは心優しく育ち、ずっと二人三脚で暮らしてきた。

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 ある日、ジョエルが働いている障がい者のための職業作業所の職員から呼び出されたモナは、ジョエルの同僚で恋人のオセアンが彼の子どもを妊娠していると告げられる。当初、オセアンの両親は娘がジョエルに無理やり妊娠されられたのではないかと疑っていたが、モナとジョエルはお互いに愛し合っていた。

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 将来を思い、堕胎を望む親たちの思いに反して、ジョエルは「子どもが欲しい。僕の権利だ」と確固たる意思を告げ、オセアンもまた産みたいと意思表示する。