子に寄り添おうとする親、子はそれを望んでいるのか

 モナとジョエルの母子関係はこれまでとは変わって、険悪ムードに。空気を変えようと、モナは彼をドライブへと誘う。

 最初は喜んでいたジョエルだが、期待を裏切られて不機嫌になり、二人はレストランで大喧嘩。折しもベルギーの町アトでは祭りの真っ最中。飛び出したジョエルを見失ったモナはどれだけ探し回っても見つけ出すことができない。モナの心配をよそにジョエルは祭りの巨大な男女の張子人形に自分とオセアンを重ね合わせて、見つめていた……。

© 2024 L.F.P. - LES FILMS PELLEAS / FRANCE 3 CINEMA

 恋する息子と同じように、やがて母であるモナにも出会いが訪れる。子育てから解放されることでモナ自身も彼女の人生を取り返すことに。

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 息子に障がいがあっても恋をしていいじゃないかと描くのと同様に、母親が何歳になっても恋愛していいじゃないかと描かれる。

 子育て、そして介護もそうだろう。共依存に陥りかねない親子関係は互いにどんな権利や義務を持っているのだろうか。他者の身体や人生に対して、どこまで踏み込むことが許されるのか。そして、どこまで自己を犠牲にすればいいのか。

 親は時に「私のすべて」と思って、子の人生に寄り添う。子どもはどうだろうか。障がいのある、なしは関係なく、普遍的なテーマに多くの人が自分の親や子どものことを思うことだろう。

『私のすべて』

2026年2月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

配給:スターキャットアルバトロス・フィルム

© 2024 L.F.P. - LES FILMS PELLEAS / FRANCE 3 CINEMA

■公式HP: cinema.starcat.co.jp/myeverything

監督・脚本:アンヌ=ソフィー・バイイ

出演:ロール・カラミー、シャルル・ペッシア・ガレット