©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

 第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、フランスで高い評価を得た恋愛映画『寝ても覚めても』がいよいよ日本公開されることとなるのだが、一部で波紋が広がっている。

 劇中、ヒロインが見せる行動に対して、かなりの数の若い女性が「なぜ?」と拒否反応を示しているというのだ。

人はなぜその人を好きになるのか?

 一方で、そうでない世代にとっては「恋愛なのに」「映画なのに」と、彼女たちの疑問に逆に「なぜ?」と思わずにいられない。性別ならまだしも、世代によってこれほど、反応が違う恋愛映画があるだろうか。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

 大阪で学生生活を送っていた朝子(唐田えりか)は麦(東出昌大)という不思議な男性と運命的出会いを果たし、急速に魅かれていく。ところが自由気ままな麦はある日突然、前触れもなく朝子の前から姿を消してしまう。

 数年後、東京で働いていた朝子は麦にそっくりな顔立ちの会社員、亮平(東出・二役)と出会う。亮平は朝子に興味を持つが、見た目が麦と瓜二つでも、性格はまるで違う彼に朝子は戸惑うばかり。それでも、亮平の真摯な態度に朝子も心を許し、次第に好意を抱き始める。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS

 震災を機に互いの気持ちに気づいた2人は5年後、共に暮らしていた。落ち着いた暮らしのなか、大阪の転勤が決まった亮平は朝子にプロポーズ。朝子はそれを了承するが、そんな時、タレントとして有名になった麦が自宅の近くでロケしていると知らされる。何年も前のこと。彼女は自分の気持ちに整理がついていたはずだった……。