「アラブの春」のなか、シリアで内戦が始まって丸9年。
反政府勢力最後の拠点となっている北西部イドリブ県での戦闘をめぐり、バッシャール・アサド政権の後ろ盾であるロシアのウラジーミル・プーチン大統領と反政府勢力(の一部)を支援するトルコのレジェップ・タイープ・エルドアン大統領がモスクワで会談した。
6時間以上にわたる協議の末に停戦に合意、3月6日から発効し、15日から「緩衝地帯」でのロシア、トルコ両軍の「共同パトロール」が始まった。
イドリブ県駐留のトルコ軍部隊がシリア政府軍の空爆を受け36人が死亡、トルコ軍の反撃でシリア政府軍にも多数死傷者が出るなど、情勢が悪化、ロシアとトルコの直接交戦への懸念が高まっていた。
内戦の犠牲者は38万人を超え、国外へと逃れた難民は560万人、国内避難民も600万人以上に及ぶ。
すでに国内に360万人のシリア難民を抱えるトルコは、これまでEU側からの援助を見返りに引き受けに同意していたが、さらなる増加も憂慮されるなか、2月末、難民に「閉ざされていた」欧州とのトルコ側の国境を「開いた」。
しかし、「欧州の玄関口」ギリシャやブルガリア側の国境は開け放たれたわけではなく、次々やって来る難民に、ギリシャの国境警備隊が催涙弾などを用い威嚇、逃げ惑う彼らは結局立ち往生、野宿する様をメディアは伝えている。
そんな行き場のない人々の姿はいつかどこかで見た光景・・・。
英仏海峡最狭のドーバー海峡大陸側の都市カレー(Calais)
「通告もなく機動隊が「Le Jungle」を破壊」とのリポーターの声をバックに移民難民が集まり生活する集落「ジャングル」が映し出される
「ジャングルは我が家。壊さないで。どこにいけというの?」
そんな横断幕を持つ支援者たちのいる「ジャングル」のテントや掘立小屋が破壊される
「残ったのは300人程。行き場のない人たちです。数週間前は1000人程いました」
「彼らの姿が消えても問題は解決しません。逮捕されてもいずれ解放、新たな居場所を見つけるだけです」