
(放送コラムニスト:高堀冬彦)
フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の激震が続いている。
FMHの上席役員について書かれた怪文書も出現した。「上席役員から元家族への深刻なモラハラ問題」「同じ上席役員の愛人の存在」が書かれており、フジ社内や株主の間などで出回っている。
新たな独裁者の出現を危惧する社員たち
内容の断片は事実だ。元家族とは旧ジャニーズ事務所の元役員である。もし怪文書の中身が全て事実で、それが世間に知れ渡れば、大きなスキャンダルになるのは間違いない。
怪文書だから作成者は不明である。フジと敵対するアクティビスト(モノ言う株主)の関係者と見る向きもあるが、そうとは限らない。フジの内部の人間がつくったという見方も強い。
というのも3月下旬に発表された両社の新役員人事案などに対し、フジ内には不満が渦巻いているからだ。新役員案は金光修・FMH社長(70)が中心となってつくられた。
6月のFMH株主総会で諮られるこの新役員案は、金光氏の色が濃い。それに多数のフジ社員たちが納得していない。
フジは日枝久・両社前取締役相談役(87)が40年近く独裁を続けてきた。今度は金光氏が専横を始めようとしているのではないか、と危ぶんでいるのだ。
金光氏は日枝氏の右腕だった。日枝氏は3月末に退任したものの、2人の間には現在もパイプがあると多くの社員が考えている。
「役員に金光氏の息がかかった人間が多いと、日枝氏は復権しやすくなるだろう」(フジ関係者A)
