テレビ局の再編が進む(写真はイメージ:Sinngern/Shutterstock.com)

日本テレビ系列の民放4社を経営統合させた持ち株会社「読売中京FSホールディングス」が、この4月1日に発足しました。都道府県の枠を超えた民放の経営統合は初めて。フジテレビ問題の陰に隠れた感がありますが、厳しい経営を強いられている放送界で今後も経営統合が続くのかどうか注目を集めています。「テレビ局再編」をやさしく解説します。

フロントラインプレス

日本テレビ系列軸に地方局4社が統合

 持ち株会社「読売中京FSホールディングス」に加わったのは、北海道の札幌テレビ放送(STV)、名古屋市の中京テレビ放送(CTV)、大阪市の読売テレビ放送(ytv)、それに九州の福岡放送(FBS)です。いずれも日本テレビ放送網(NTV)をキー局とする日本テレビの系列局。そのネットワークの中で、4社は各地域の基幹局として機能してきました。

図:フロントラインプレス作成

 新しい持ち株会社では、日本テレビホールディングスが20%以上を出資して筆頭株主となります。第2位は15%以上を出資する読売新聞グループ。社長には日本テレビHD副会長の石沢顕氏が就任しました。新会社の略称は各局の頭文字を組み合わせた「FYCSHD」(フィックスホールディングス)で、札幌テレビなど4社はこのFYCSHDの100%子会社となりました。

 この経営統合には、どんな狙いがあるのでしょうか。最大の狙いは、FYCSHDの下で4社が緊密に連携して経営基盤を強化し、4社それぞれの強みを生かして相乗効果を発揮していくことにあります。

 放送分野(地上波)では、これまでのようにキー局(日本テレビ)の番組を地方に流すだけでなく、地方局が制作する魅力的なコンテンツをキー局に配給するなどし、4社が手を携えて「最強のタイムテーブル(番組表)」を作っていくことになりそうです。