経営企画部門出身者ばかりがなぜ

 新役員案で金光氏はFMHの社長から会長への昇格する予定。後任の社長は清水賢治・フジ社長(64)としている。

 西武百貨店勤務を経て中途採用された金光氏と清水氏は年齢が6歳違うが、1983年にフジに入社した同期。初配属先も編成部で一緒だった。当時は狭かった同部で2人は肩を寄せ合った。50代は経営企画局畑だったところも同じで、ともに局長を経験している。

 金光氏にとって清水氏は物が言いやすい人物なのである。弟分と言ってもいい。清水氏は日枝氏の承認を得て、1月下旬にフジの社長になったが、日枝氏に清水氏を推したのも金光氏たちだ。

 FMHの新役員案には計11人の名前があり、そのうちフジテレビのプロパーは5人。うち金光氏、清水氏をのぞいた3人のうち2人が金光氏の出身母体である経営企画局出身者だ。

 前述のように金光氏と清水氏もそうなので、プロパー役員5人のうち4人が経営企画局出身。社員たちが訝しむのも無理はない。

 2005年、ホリエモンこと堀江貴文氏(52)が率いる「ライブドア」が、フジの筆頭株主だったニッポン放送を買収しようとしたとき、経営企画局は防戦の最前線に立った。日枝氏が手足のように使うセクションだった。

堀江貴文氏(写真:WireImage/ゲッティ/共同通信イメージズ)

「だから余計に社員たちは新役員案に強く反応している」(フジ関係者A)

 金光氏は社員感情を読み間違えたようだ。エラーだろう。