2026年の箱根駅伝で1位でゴールする青学大(写真:共同通信社)
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 (田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授) 

 今年の正月も箱根駅伝がお茶の間をにぎわせた。

 青山学院大がスタートの1区で16位と出遅れながら、驚異的な追い上げによる大逆転劇で往路トップに立つと、復路も盤石の襷(たすき)リレーで史上初2度目の総合3連覇を飾った。

 箱根駅伝は、読売新聞社が関東学生陸上競技連盟とともに主催し、特別後援の日本テレビ放送網が1月2、3日に全国中継する。高校野球の甲子園などと同様、メディアが一体となって盛り上げる「メディア・スポーツ」で、出場チームの大学名や協賛企業の露出効果は抜群だ。

 全国中継によって巨大スポーツイベントへ成長したこの正月の風物詩に対して、複数の動画配信企業が「10年500億円規模」で独占配信による放映権の獲得を検討しているという記事が流れた。地上波劣勢の時代に、箱根駅伝の商業的価値が注目を集めている。

ネット配信大手が箱根駅伝の独占配信を検討?

「将来的に地上波放送なくなる?複数の配信大手が500億円規模での放映権獲得へ模索」——。

 1月2日付の東スポWEBに、気になるニュースがアップされた。

 様々なスポーツ中継の放映権が高騰している中で、動画配信企業の関係者が箱根駅伝の将来的な放映権獲得に向けた検討を開始しているという内容だ。箱根駅伝には幅広い世代を視聴者として取り込める魅力があるという。

 コンテンツとしての魅力については、「独占配信で放映権を取得すれば会員数の急増が確実で『年間50億円以上、10年などの長期契約』が想定されている」と指摘する。

 もちろん、派手な見出しで定評のある東スポのニュースだけに、実現性については多少割り引いて考える必要はあるだろう。読売新聞社が主催になっている以上、グループ企業である日本テレビ放送網が中継から外れることは現実的ではないかもしれない。

 また、正月休みの朝から長時間にわたって中継される箱根駅伝は、「ながら視聴」の代表格としてお茶の間に定着し、視聴者の多くはライトな駅伝ファン層とみられる。有料配信となった場合、コアなファン層を取り込めても、ライト層に従来のような視聴習慣が続くかは不透明だ。

 こうした前提に立った上で、現状の地上波と動画配信サービスとの関係性を整理する。