ポスティングによって今オフのメジャー挑戦が容認された巨人の岡本和真選手。ブルージェイズとの契約によって、巨人は約17億円の譲渡金を手にした計算だ(写真:スポーツ報知/アフロ)
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 (田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授) 

 今オフに、日本のプロ野球界からポスティングシステムを活用してメジャーリーグへの移籍を目指した選手の動向が定まった。ヤクルトの村上宗隆選手がホワイトソックスへ、巨人の岡本和真選手がブルージェイズへ、西武の今井達也投手がアストロズへ移籍する。

 選手は日本時代とは比較にならないほどの年俸で契約し、日本(NPB=日本野球機構)での所属球団も、選手が結んだ契約額に応じて譲渡金を受け取ることができる。

 ポスティングシステムによって、若い有力選手が移籍する“対価”だが、今オフの3選手は事前の報道で予想されていたよりも契約年数が短くなった結果、総額が抑えられた。メジャー球団側はけがのリスクを回避できる一方、選手側も短期で結果を出せば、次回の契約で金額を大きく上乗せできる可能性もある。

 双方がリスクとメリットを分け合う形だが、NPB球団だけは譲渡金が減って“損”をするという構図となった。

数十億の譲渡金を手にする日本の球団

 ポスティングシステムの譲渡金は、選手が結んだ契約に応じて算出される。契約額が2500万ドルまでは20%、2500万ドルを超えた金額から5000万ドルまでは17%を加算し、5000万ドル以上の場合は超えた額の15%を加算する。

 日米間において、プロサッカーのように、育てた選手がビッグクラブへ移籍したときに手にする移籍金と同じ構図となっている。以前までのポスティングシステムの規定では、最高額を提示した球団が選手と独占的に交渉を行うため、選手が移籍先の球団を選ぶことができなかった。現在は選手が自分で考えて、複数球団と交渉することが可能になっている。

 フリーエージェント(FA)が譲渡金を伴わないのに対し、ポスティングシステムが「譲渡金付きFA」と指摘されるゆえんである。

 ところが、この譲渡金はバカにならない。

 今オフの3選手の中で最も多い譲渡金が球団にわたるのは、岡本選手がいた巨人だ。