ニューヨークの街を走る自動運転タクシー「ウェイモ」(2025年11月26日撮影、写真:ロイター/アフロ)
2025年は、ロボタクシー(完全自動運転タクシー)がSFの世界を脱した1年として記憶されるだろう。
長らく「次世代の移動手段」とされてきたが、米国や中国の大都市では、一般の利用客にとっての「日常的な選択肢」として定着した。
米アルファベット傘下のウェイモ(Waymo)は、圧倒的な走行実績を背景に全米や他国へ“版図”を広げている。
これに対し、米テスラや米アマゾン・ドット・コム傘下のズークス(Zoox)も独自の技術思想を掲げて追随。
さらに中国の百度(バイドゥ)などが物量作戦で猛追しており、覇権争いは質・量ともに新たな次元に突入した。
ウェイモの「着実な拡大」が結実
2025年を通じて業界のベンチマークであり続けたのはウェイモだ。同社は同年、米国内の5市場で一般向けサービスを本格化させた。年間乗車件数は1400万件を超えた。
注目すべきは、同社が長年掲げてきた「安全最優先の段階的な拡大」戦略が、実用面で大きな成果を上げたこと。
11月にはサンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルスの3都市で高速道路(フリーウェイ)での有償サービスを開始した。
一般道での複雑な判断に加え、高速域での合流や車線変更といった難関を、10年超にわたる検証データをもってクリアした。これにより空港アクセスなどの所要時間が大幅に短縮され、利便性が飛躍的に向上している。
ウェイモは現在、東京やニューヨークを含む国内外26市場での展開を視野に入れている。2026年には欧州初の拠点として、ロンドンへの進出を計画している。
だが、この欧州戦略は決して安泰とはいえない。
かつてウェイモの慎重な技術展開を批判していたテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)に加え、強大なプラットフォームを背景にした中国勢との直接対決がロンドンで始まろうとしているからだ。