アマゾン傘下のホールフーズ・マーケットで店外まで商品の搬送を手伝うアマゾン社員(2025年9月3日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで、写真:ロイター/アフロ)
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 米アマゾン・ドット・コムが、長年の課題とされてきた食料品市場の攻略に向け、物流網の統合と配送サービスの高速化でシェア拡大を図っている。

 昨年12月には、生鮮食料品の当日配送網を全米2300都市規模へ拡大させた。一部都市では、30分以内の配送サービス「Amazon Now(アマゾン・ナウ)」の試験運用に着手した。

 インフレ下の節約志向を背景に、プライベートブランド(PB)と配送利便性を組み合わせ、米小売最大手ウォルマートなどの競合に対抗する。

「ついで買い」から「日常使い」へ

 バナナ、アボカド、牛乳が家電と一緒に届く――。

 アマゾンが昨年8月に打ち出した、生鮮食料品を通常の当日配送網に統合する「ワンストップショッピング構想」の実績が出始めている。

 同社は昨年12月10日、生鮮品の当日配送対象エリアを拡大したと発表した。それまでの約1000都市から、2倍以上となる2300都市超へと広げた。

 ボイシ(アイダホ州)やオマハ(ネブラスカ州)といった地方都市も網羅し、人口カバー率を大幅に引き上げた。

 特筆すべきは、消費者の購買行動の変化だ。

 同社によると、このサービスを利用する顧客の購買頻度は、利用しない顧客の約2倍に達した。高速配送におけるベストセラー商品トップ10に、バナナやアボカドなどの生鮮食料品が9品目入る結果となった。

 これまでアマゾンの食料品は、家電や書籍といったEC(電子商取引)商品のついでに購入される傾向が強かった。しかし、その後の配送網統合により、日々の生活インフラとしての利用が定着しつつある。