(写真:VTT Studio/Shutterstock)
2011年に暴力団排除条例が全国で施行された。暴力団組員はもとより、暴力団を辞めても5年間は銀行口座開設等の各種契約が制約されるなど、反社や元反社とされる人たちは厳しい環境に置かれている。それから15年、暴力団と裏社会の状況はどうなっているのか。“ヤクザ排除”が社会にもたらした影響を、拙著・新刊『ヤクザが消えた裏社会』(筑摩書房)より一部を抜粋・再構成してご紹介する。
「こん年で組やめて何ができる。たどり着くところは生活保護やろ、みじめや」
「ワシだけちゃう思うけどな、いま、(暴対法、暴排条例で)ヤクザ厳しいねん。辞めるきっかけ(親分の代替わりや兄貴分のカタギ転向や離脱等)探している人多いと思うで。親分も代わったし、ワシ自身も、迷子になってるんちゃう? ……しゃかて、こん年のワシらが組やめて何ができる。たどり着くところは生保(生活保護)やろ、みじめや。この地元には13歳から住んどるんやで、離れたないしな。もう、この歳や、いまさら辞めても一般人が受け入れてくれるとは思われんな。みじめな終わり方するんなら、最後はヤクザで死にたいかな」
これは、筆者らが、日工組社会安全研究財団の助成を受けて、2014年から2015年にかけて、西日本の都市部で調査した暴力団幹部や離脱者らのうち、キリトリ(債権回収)、賭博開帳、ミカジメ徴収などを主なシノギとしながら現役に留まり続けている被調査者が筆者に語った一言です。
この現役幹部は、たとえ離脱しても、長年生活してきた地元の地域社会ですら、暴排の高まりから受け入れてもらえず、社会的な居場所が持てないのではという懸念を滲ませています。

