(写真:Bits And Splits/Shutterstock)
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 警察庁の犯罪統計資料によれば、2024年の強盗事件の認知件数は1370件(昨年1361件)、検挙件数は1267件(昨年1232件)と、いずれも増加している(令和7年警察白書 統計資料)。

 強盗の少年検挙人員については、手口別にみると路上強盗の増加が、強盗全体の検挙人員の増加に大きく影響している。年齢別にみると各年齢が増加しているが、特に16・17歳が大きく増加している。

 ちなみに、令和6年中のオレオレ詐欺の認知件数は6671件、被害額は約453億円と大きく増加している(それぞれ前年比で68.7%、239.2%増加)。また、SNSを使用した非対面型の投資詐欺やロマンス詐欺の被害が急増しており、令和6年は1万164件、被害額は約1268億円と、それぞれ前年比で164.3%、178.6%の増加となっている(警察庁「令和6年の犯罪情勢」)。

相次ぐ少年による強盗事件

 筆者は、法務省更生保護就労支援事業所長や保護司に加えて、ノンフィクション作家の立場で、複数の闇バイト従事経験者と面談してきた。

 闇バイトで逮捕された人に「捕まると思わなかったのか」と問うと、「捕まるかどうかは五分五分と思ったが、(闇バイトを)途中で辞められなかった」という趣旨の回答が多く、一度入ったら辞められない闇バイトの怖さを痛感している。

 筆者が問題視するのは、「強」の付く強行犯に、未成年が加担しているという事実だ。一例を挙げると――。

 今年6月に北九州市小倉北区の貴金属店で発生した強盗事件では無職の16歳と17歳の少年2人が逮捕された。「遊ぶ金欲しさにやった」と容疑を認めている。

 昨年11月にも、SNSの「闇バイト」に応募し千葉県船橋市の住宅に侵入しようとしたとして、住居侵入未遂の疑いで17歳の少年と、18歳と32歳の男2人が逮捕されている。

 実際に「タタキ」に従事した少年(犯行当時17歳)に聞いた話は、筆者に少なからず動揺を与えた。それは、犯罪現場で求められる刹那の判断をリアルに語ってくれたからだ。以下、「タタキ」に従事した少年との会話を紹介する。