食品の価格高騰が家計を直撃している。写真はイメージ(写真:Zoey106/Shutterstock.com)
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大勝した総選挙で掲げた通り、高市政権は食品にかかる消費税を2年間ゼロとする方針だ。値上がりペースこそ鈍化しているが、食品高が家計を苦しめる状況に変わりはない。その重圧は消費者を節約に追い込み、景気に影を落とす。本当に食品消費税ゼロは実現するのか。そこには厄介な問題が横たわる。

(志田富雄:経済コラムニスト)

旧暫定税率の廃止でガソリン、軽油は下がったが…

 まず、総務省が2月20日に発表した1月の全国消費者物価指数(CPI)で直近の物価を確認しよう。全体的に見れば前年同月と比べた上昇率は低下傾向にあり、基調判断の物差しになる「生鮮食品を除く総合指数」で伸びは2%と2年ぶりの低さに落ち着いてきた。

 物価高の抑制に効いたのは、ガソリンを中心にしたエネルギー分野の値下がりだ。昨年末でガソリンや軽油にかかっていた旧暫定税率が廃止され、店頭価格はぐっと下がった。

 暫定税率の廃止はガソリンで1リットル25.1円、軽油で17.1円の引き下げ効果がある。しかもガソリンは揮発油税、地方揮発油税といった税金をかけたうえに消費税が乗る「二重課税(税金に税金がかかる)」だったので、消費税を含めたガソリン価格の引き下げ効果は28円ほどになる。

 1月のCPIでガソリン価格は前年同月比で14.6%値下がりしたほか、政策面では公立高校の授業料無償化も寄与し、「授業料等」という品目全体で9.6%下がった。

 食品では生鮮野菜の価格が前年同月比で14%下落した。1年前の冬はキャベツを中心にした野菜が天候不順の影響で高騰。今年は生育が順調だったために、前年同月比でみるとキャベツは63.5%も値下がりした。生鮮食品を含めたCPIの上昇率は1.5%の上昇と、「生鮮食品を除く総合指数」よりも伸びが鈍化したのは、生鮮野菜の値下がり効果が大きい。

 とはいえ、食品が安くなり、これで家計のやりくりが楽になったのかというと、そうではない。