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(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)

 米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り、1バレル=62ドルから67ドルの間で推移している。「米軍によるイラン攻撃が近い」との観測から、19日の原油価格は昨年8月以来の高値を付けた。

 まず需給に関する動きをみてみたい。

OPECプラスが増産再開を検討

 ロイターは2月13日「OPECプラス(OPECとロシアなどの大産油国が構成メンバー)は4月から増産を再開することを検討している」と報じた。

 夏場の需要のピークに備えるとともに、米国とイランの緊張で原油価格が強含んでいることが主な理由だという。原油価格は年初から10%超上昇している。

 OPECプラスの有志8カ国(サウジアラビア、ロシア、アラブ首長国連邦、カザフスタン、クウェート、イラク、アルジェリア、オマーン)は3月1日に会合を開く予定だ。 ロイターの報道を受けて、原油価格は17日に一時、62ドル割れした。

 OPECプラスが再び増産に舵を切ろうとしている中、ロシアの原油生産が支障をきたし始めているようだ。

 ロイターは16日「ロシア、石油減産ついに不可避か 西側制裁が奏功へ」と題する論説記事を掲載した。西側諸国の制裁強化でロシア産原油の輸出が減少し、生産減少を余儀なくされるという趣旨だ。

 海運分析企業クプラーによれば、ロシアの海上輸送による原油輸出は昨年12月には日量平均約380万バレルだったが、1月には同約340万バレル、2月には280万バレル程度に減少している。

 米国との貿易摩擦を回避したいインドが購入を抑制していることが災いしている。クプラーによれば、インドは昨年、ロシア産原油の海上輸出量の半分に相当する日量約170万バレルを購入していたが、1月は同110万バレルまで減少した。2月はわずかに回復するものの、3月以降は急減が予想されている。