「節約志向指数」はウクライナ戦争直後を超えた

 典型的なのがコメ。一時はコメ類全体で100%(2倍の値上がり)に達した前年同月比の上昇率は1月に27.9%まで低下した。それでも消費者からすれば「高騰していた昨年1月の価格からさらに3割近くも値上がりした!」と文句を言いたいところだろう。中食・外食分野への波及も収まらず、おにぎりが11.8%の上昇、すし(外食)が7.0%値上がりした。

 農林水産省が1月にまとめた2025年12月末時点のコメの民間在庫は、1年前に比べ85万トンも増えて338万トンとなった。年末の在庫水準としては4年ぶりの多さだ。あまりの価格高騰に消費者や街の外食店が手を出しにくくなり、需要が冷え込んだからだ。

 一方で、流通企業は高い値段で仕入れているため、在庫を抱えても損失覚悟の値下げには二の足を踏む。農水省が発表した2月9〜15日時点のコメの平均店頭価格は前週比82円(2.0%)安い5キロ4122円。需要不振でじわじわと値下がりしてきたものの、平均価格が4000円を超す水準で消費者と業者の我慢比べが続く。

 こうした状況を前に家計の厳しさを示す指標がある。

 みずほリサーチ&テクノロジーズは消費者の節約志向がどれくらい強まっているかを示す「節約志向指数」を算出している。この指数は、品目ごとにCPIの物価上昇率から家計調査の支出平均単価上昇率を差し引いた値を指数化したものだ。家計の節約志向が強まって消費者が少しでも安い商品を多く購入するようになれば実際の支出単価はCPIより下振れし、節約志向指数が上昇する。

 この節約指数は直近、新型コロナウイルス禍からの経済回復にウクライナ危機が追い打ちをかけた22年3月の記録的な水準を超え、データのある過去10年ほどの最高を記録している。それだけ、食品高が家計を圧迫し、消費者の節約志向が強まったことを示す。