低価格PB「Amazon Grocery」が牽引

 その利用拡大を支えているのが、昨年10月に本格展開を始めた低価格PB「Amazon Grocery(アマゾン・グロサリー)」である。

 同ブランドでは、競合するウォルマートや米コストコ・ホールセールに対抗して1000品目以上を投入した。大半が5ドル(約770円)以下という価格設定が、インフレ疲れの消費者に支持された。

 昨年12月の発表では、同PBのストリングチーズやホールミルクなどが売れ筋上位に食い込んでいることが明らかにされた。

「配送の利便性」と「価格訴求力」の2軸が機能したことで、生鮮食料品の売上高は昨年1月と比較して30倍に伸長している。

「30分配送」でコンビニ需要も狙う

 アマゾンは広域での面展開を進める一方、「点」での深掘りも始めた。昨年12月1日、シアトル(ワシントン州)とフィラデルフィア(ペンシルベニア州)の一部地域で、日用品や食料品を30分以内で届ける新サービス「Amazon Now」の試験運用を開始した

 これは、「Instacart(インスタカート)」や「DoorDash(ドアダッシュ)」、そして「GoPuff(ゴーパフ)」などのクイックコマース(即配)勢への直接的な対抗策となる。

 通常の配送拠点ではなく、顧客の居住地に近い小型拠点(マイクロフルフィルメント・センター)を活用する。個人配送ドライバー「Amazon Flex」が商品をピックアップして即座に届ける仕組みを導入した。

 プライム会員であれば3.99ドルからの配送料で利用でき、「今すぐ欲しい」というコンビニ代替需要を取り込む。

 同社は過去にも「Amazon Today」などで即配を模索しては撤退を繰り返してきた。今回は専用の小型拠点を構え、在庫管理とピッキング効率を徹底することで、収益性の確保を目指している。