Thomas MeierによるPixabayからの画像
2025年、私たちはAIによる「雇用の代替」という脅威に直面した。
米MIT(マサチューセッツ工科大学)や米スタンフォード大学が示した厳しいデータに震撼したことは記憶に新しい。そして年が明けた今、議論は次のフェーズへと移行しつつある。
「AIに置き換えられるか」ではなく、「AIとどうチームを組むか」という問いだ。
昨年末、米ハーバード大学の「デジタル・データ・デザイン研究所(D^3=ディーキューブ)」などによる大規模実証実験の結果が、改めて注目を集めた。
米経済ニュース局CNBCなどがこれを報じたためだ。
そこで示されたのは、複雑な未来図だった。AIを「サイバネティック・チームメイト(人工頭脳の相棒)」として迎え入れることで、「組織の壁が取り払われる」という希望が見える。
一方、そこには「同質化」や「若手育成の危機」という新たな課題も混在する。
「個人+AI」よりも「チーム+AI」
研究チームが明らかにした事実は、行き過ぎた「AI個人主義」への戒めとも取れる。
実験データによると、AIを利用した個人は対照群(AIなし)よりも16.4%短い時間でタスクを完了し、パフォーマンスも向上した。
しかし、最も革新的な成果を生み出したのは「AIによって能力を拡張されたチーム」だった。
AI活用のチームは、質の面で0.39標準偏差(SD)の向上を達成し、個人の向上幅(0.37 SD)を上回った。
興味深いのは、AIが組織内の「サイロ(縦割り構造)」を打破する触媒となった点だ。
通常、商業部門と技術部門はそれぞれの専門用語や思考の枠組みに閉じこもりがちである。だが、AIの介在によって双方がバランスの取れた解決策を導き出せるようになった。
これは、AIが単なる時短ツールではないことを示唆している。AIは異なる専門性をつなぐ「共通言語」として機能するという。