テスラの「AI革命」とアマゾン傘下「専用設計」

 対照的なアプローチで挑むのがテスラである。

 同社は、カメラ映像をAIで解析する「エンド・ツー・エンド(E2E)AI」方式を採用。高精細マップに依存しない「AI革命」を提唱している。

 2025年後半にはオースティン(テキサス州)などで「Robotaxi」アプリを通じたライドシェアサービスを開始した。

 12月にはテスラが一部地域で、完全無人のテスト走行を開始したことも報じられた。だが、依然として多くの車両で安全監視員の同乗が必要なのが実情だ。

 ウェイモが先行する「レベル4(特定条件下での完全自動運転)」の壁をいかに突破するかが今後の焦点となる。

 一方、アマゾン傘下のズークスは、ハンドルやペダルのない「馬車型」の専用車両をラスベガスとサンフランシスコの公道に投入した。既存車両の改造ではなく、移動空間そのものを再設計するアプローチだ。

 これにより乗車体験の質で差異化を図る。6月に本格稼働した専用工場により、年1万台規模の量産体制を整えつつある点も、商用展開に向けた大きな布石となる。

中国勢の台頭とグローバル競争

 米国勢を脅かす勢いを見せているのが、「アポロ・ゴー」を展開するバイドゥなどの中国勢。

 アポロ・ゴーは武漢市全域をカバーするなど、圧倒的な物量で市場を席巻した。無人運転による週間乗車件数は25万件を突破。同時期のウェイモに肉薄する水準だ。

 中国勢は国内での成功を足掛かりに、世界展開を加速させている。中でも特筆すべきは、バイドゥが米ウーバーテクノロジーズ及び米リフトと電撃的な提携を発表したことだ(米CNBCの記事)。

 2026年からロンドンにおいて、両社のアプリを通じてバイドゥ車両を配車する実証実験が始まる。欧州の主要都市を舞台に、米中の自動運転大手が直接対決する初の事例となる。

 また、ソフトバンクグループなどが投資するロンドン発のスタートアップ、ウェイブ・テクノロジーズも独自技術で参戦を予定しており、ロンドンは世界で最も激しい「自動運転サンドボックス(実験場)」と化す。