中部電力浜岡原発(写真:共同通信社)
中部電力の浜岡原発は、南海トラフ地震を起こす断層面の真上にあり、世界で一番、地震リスクが大きい。そんな危ないところにあるにもかかわらず、中部電力はズルをして、揺れを小さく計算し、国の審査をすり抜けていたことが1月5日に発覚した。
東京電力が不公正なやり方で津波の想定を小さくしたり、見直しを先延ばししたりして大事故を引き起こしてからまだ15年しかたっていないのに、電力業界は懲りていないようだ。
東電原発事故からわずか7年で不正に手を染めた中部電力
東電事故のあと止まっていた浜岡原発3、4号機を再稼働しようと、中部電力は2014年から手続きを進めていた。その過程で、意図的に、大地震の際に想定される地震の揺れ(基準地震動)を小さく計算し、原子力規制委員会の審査に提出していた。
そうしてズルをして小さくした数値で、23年9月に「おおむね妥当」と合格。その後、その数値で揺さぶられても原発施設の安全が確保されるか詳細な審査が続いていた。
25年2月、規制委に中部電力が揺れの計算で不正をしていると外部通報があり、規制委が調査を開始。中部電力の林欣吾社長は26年1月5日に記者会見し、不正を確認したと述べた*1。
*1 https://www.chuden.co.jp/publicity/rer_other/1217263_3509.html
「想定される地震の大きさは小さくなったのか。どうして意図的に選んだのか」という質問に、林社長は「ヒアリングの結果としては、意図的に選定し地震動を過小評価していた。具体的にどのくらい(小さくしたか)、どのような理由だったのかは第三者委員会の調べを待つ」と答えた。
浜岡原発の審査を巡る不適切事案について、臨時記者会見する中部電力の林欣吾社長=1月5日、名古屋市(写真:共同通信社)
どのくらい小さくしていたかはまだ明らかにされていないが、不正な方法で小さめに想定しないと審査を通らないと考えていたのは間違いないだろう。逆に言えば、適切に想定すれば、浜岡原発は安全でないと露見する。それを恐れたわけだ。