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人を三度噛んでしまった犬、安楽死を受け入れるしかないのか

 欧米に比べると、動物福祉や動物の権利について日本はまだまだ議論が足りていないという印象がある。スイス・フランス合作の『犬の裁判』は犬が被告となった裁判の行方を描いた、なんと実話に着想を得たコメディ。

 事件はスイスの小さな町で起きた。負け裁判ばかりで事務所から解雇寸前の女性弁護士アヴリルは次の事件では必ず勝利を勝ち取ろうと決意する。そんな時、かけがえのない伴侶である犬のコスモスが絶望的な状況にあると男性から弁護の依頼がある。三度、人を噛んだ犬は安楽死が法律で定められているが、コスモスが3人目に噛みついたのだ。

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 確実に負け戦だが、アヴリルは見過ごすことができず、犬を弁護するという不条理に自ら飛び込んでいく。有罪なら、飼い主の罰金1万フランとコスモスの安楽死が確定。犬は既存の法律では物と見なされる。

 だが、犬が“物”ではないというアヴリルの主張が認められ、前代未聞の犬が被告の「犬の裁判」が開かれることに。

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 冒頭から法曹界あるあるなのか、アヴリルはパワハラ、モラハラ、セクハラに悩まされている。古い世界と現在の#MeToo世界、ふたつの時代の狭間で揺れ動いている女性アヴリル。我慢せず、自分の声、意見を出していいものか。

 空気を読んできた彼女がペットとして飼い慣らされた犬のコスモスと出会う。次第に解放されていくアヴリルとコスモスの本性。果たして、ペットとは? 生き物はどんな存在であるべきなのか。

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