豊洲市場の初競りで5億1030万円でマグロを競り落とした、すしざんまいを運営する喜代村の木村清社長(写真:つのだよしお/アフロ)
目次

(立川 談慶:落語家、著述家、筋トレ愛好家)

 新年早々、豊洲市場の初競りが世間を賑わせました。青森・大間産のクロマグロ(243kg)が、すしざんまいを運営する喜代村の木村清社長によって、史上最高値の5億1030万円で落札されたのであります。

  このニュースは、例年通りマスコミを沸かせ、SNS上でも「景気の象徴」「PRの極み」と話題を呼んでいます。

 木村社長は「1人でも多くの人が食べ、元気になってほしい」と語り、このマグロを全国の店舗で振る舞う予定とのこと。太っ腹な意気込みに、今年も元気づけられているような気もします。

 確かに日経平均株価は年明けの大発会で大幅に上昇し、翌6日には約2カ月ぶりに最高値を更新しました。日本経済新聞によると、初競りのマグロが高いと、その年の株価も堅調という経験則があるのだとか。すわ、今年は景気がいい!と期待したくなります。

 でも、本当にこの一本のマグロが、今年の景気浮揚のカギを「握っている」のでしょうか? 「寿司屋だけに」というダジャレめいたことを考えてしまったのですが、そもそもモノの「価値」って一体何なのでしょう?

 ここは落語家らしく、古典落語の演目で分析してみたいと考えています。

「モノの値段と真の価値」については、日本人が古くから悩み、惑わされてきました。その証として、古典落語の『千両みかん』と『猫の皿』という二席が語り継がれています。