主人公の女性、犬、障がい者である飼い主、噛まれた移民の女性、そして主人公の近所に住む男の子。誰もが幸せに暮らす権利があり、その権利を脅かされることは誰にも許されない。進めば進むほど、カオスと化していく物語。

現実世界での「犬の権利」は…

 アヴリル役で主演を務めたのは俳優でダンサー・作家・演劇監督としても活動するレティシア・ドッシュ。本作は彼女の初監督作にあたる。

@BANDE À PART - ATELIER DE PRODUCTION - FRANCE 2 CINÉMA - RTS RADIO TÉLÉVISION SUISSE - SRG SSR - 2024

「重要なことを自在に語りながら、常にトーンを変化させる、自由で不穏なコメディを見たい、出演したい」と望んでいた彼女は自ら、そのような作品を作り上げた。笑いながらも、さまざまなことを考えさせられる展開は決して、笑って済まされないテーマがふんだんに盛り込まれている。

 映画はあっけなくエンディングを迎え、そのせいでこれが決して、ファンタジーではなく、現実を基盤にしたストーリーなのだとハッとさせられる。犬の権利も女性の権利も障がい者の権利も移民の権利も子どもの権利もこの世界ではまだまだ、これからなのだ。

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『犬の裁判』

5月30日(金)より シネスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺 他にて全国順次公開

配給:オンリー・ハーツ

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