
世界的起業家やトップアーティスト、将棋の藤井聡太棋士も
Amazon創業者のジェフ・ベゾス、Google創業者のラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリン、Wikipedia創設者のジミー・ウェールズ、経営思想家のピーター・ドラッカー。さらにはアンネ・フランク、ジョージ・クルーニー、テイラー・スウィフトや英国王室のウィリアム&ヘンリー王子まで受けていた「モンテッソーリ教育」。日本では藤井聡太棋士が「モンテッソーリ教育」を取り入れている幼稚園に入園していたことが知られている。
話題の「モンテッソーリ教育」の生みの親であるマリア・モンテッソーリはイタリア初の女性医師で未婚の母でもあった。
医師である彼女がなぜ、独自の教育方法を生み出したのか。誰もが関心を持つ、子どもの育て方を教える彼女がどうして、未婚の母だったのか。その謎に答えてくれるような映画が『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』。マリア博士が1907年に「子どもの家」を開設するまでの苦悩に満ちた7年間を描いたヒューマンドラマである。

20世紀初頭のローマ。マリア・モンテッソーリはパートナーのジュゼッペ・モンテサーノとともに公的機関で知的障がいのある子どもたちに作業療法を指導する研究をしていた。知的障がいの子どもにも教育を受ける権利がある。それまで精神病院に閉じ込められていた子どもたちに最先端のメソッドを施し、読み書きや計算、仕事を学ぶ機会を医師である彼女は与えようとしていた。

マリアは熱心に子どもたちの世話をし、彼らはメキメキ成長する。ところが、功労者として、脚光を浴びるのはパートナーのジュゼッペばかり。ジュゼッペは穏やかな男性で、2人は結婚制度に縛られることなく、自由に愛し合い、息子を授かる。その大切な一人息子を他人に預けてまでマリアはキャリアを優先した。自分の子どもに会えず、その愛情を他人の子どもに注ぐ毎日。それでも男性中心の社会はマリアを押し潰そうとする。
フランスでの映画のタイトルは「新しい女性」。マリアは男性しかいない医学部で初めて学び、偏見や差別に屈さず、新しい道を自ら切り開いてきた女性。そのため、周囲に流されることなく、結婚ではなく、未婚の母という道を選ぶ。
