子どもの独自性を育む

 ある時期の子どもが特定の活動や遊びにこだわり、熱中することがある。しっかり支えることで、その子らしい成長が実現すると発見したモンテッソーリ。映画の中では子どもが大人を邪魔しているように見えて、実は大人の真似をして働きたがっているのだとマリアが気づく瞬間が描かれている。

© Geko Films – Tempesta - 2023

 ドキュメンタリー『モンテッソーリ 子どもの家』の幼稚園で見たようなモンテッソーリ教育ならではの玩具に子どもが夢中になり、独自の遊び方を編み出す様子も映し出す。誰もやったことのない方法やテーマを探そうとする子どもがたくさん、育つモンテッソーリ教育。独自性が生まれるヒントが劇中に点在している。

© Geko Films – Tempesta - 2023

 目を見張るのは当然、子どもたちの姿である。特に障がいを持つリリの娘ティナを演じたラファエル・ソンヌヴィル=キャビーの才能には「感覚的な信号の知覚の仕方が異なっており、この認識の特殊性に興味をそそられました」と監督もゾッコン。その子の特別さを見抜いて、伸ばしていく姿勢はまさにモンテッソーリ教育の精神そのもの。

© Geko Films – Tempesta - 2023

 そして、モンテッソーリ教育は何より、子どもを観察することを求める。映画では観客も一緒になって、子どもがたくましく成長していく過程を見守ることになる。

© Geko Films – Tempesta - 2023

『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』

3月28日(金)より シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺 他 全国順次ロードショー

配給:オンリー・ハーツ