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 円安が進み、海外旅行なんてとんでもない、あるいは海外に行ける人すら自炊で過ごすという話題がワイドショーを席巻したゴールデンウィーク。昭和の1960~70年代、1ドル360円だった時代に海外旅行していた人々はどんなだったろう。

 その一人として思い浮かぶのが安井かずみ。加藤和彦とおしどり夫婦で知られている。ヨーロッパ家具に囲まれ、ハイブランドの衣服を纏い、毎日、美食とワインを楽しんでいた優雅な2人の暮らしぶりは伝説的だ。

若き日の加藤和彦と安井かずみⓒ2024「トノバン」製作委員会
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 8歳年上の安井が膨大な愛とお金で育てあげたとされる加藤。真偽の程はともかく、投資されるだけの稀有な才能の持ち主であることは間違い無い。

フォーク、ニューミュージック、ロックからアニソンまで

 昭和後期から平成に活躍した作曲家、音楽プロデューサー。名前を聞いて、どんな音楽、どの曲を思い出すだろうか。私はサディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにおねがい」の印象が強いが、一世を風靡したザ・フォーク・クルセダーズ「帰って来たヨッパライ」を思い起こす、フォーク全盛期を知る人もいるだろう。

ザ・フォーク・クルセダーズⓒ2024「トノバン」製作委員会
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きたやまおさむⓒ2024「トノバン」製作委員会
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 ニューミュージックは吉田拓郎「結婚しようよ」から始まったというが、この曲を編曲したのが加藤。竹内まりや初の大ヒット曲「不思議なピーチパイ」を作詞・作曲したのは加藤・安井夫婦とくると、ポップスのイメージもある。