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 すっかり、ネガティブなイメージがついてしまった多様性という言葉。ドキュメンタリー『わたしの物語』に触れ、いかに私たちが無意識のうちに、エイブリズム(能力のある人が優れているという考え。障がい者に対する差別と社会的偏見。非障がい者優先主義)の根強い社会に生きていることか、思い知らされる。

障がい者によるセルフ・ドキュメンタリー

『わたしの物語』は股関節がなく、大腿骨が短いという極めて稀な障がいを持って生まれたイギリス人女性エラ・グレンディニングが同じ障がいのある人をSNSで探し、自分らしい生き方を模索する4年間を自ら記録したセルフ・ドキュメンタリー。

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“私と同じような脚の人っている?” SNS上で問いかけを始めた彼女のルックスは多くの人とは違う。

 小さな村で両親に愛され、すくすく育っている間はなんの問題もなかった。幼い頃の彼女は明るく元気で、自分と他人を比べることもなかったろう。

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 ところが小学校に上がると異変が起きる。そこにはたくさんの子どもたちがおり、自分は人と違うことを知る。いじめもあったはずだ。

 街に出れば、人々の好奇の目にさらされる。二度見、じろじろ見られることも日常茶飯事。世間からすれば、ごく少数派に属する彼女は自分と同じような姿の人を見たことがない。世界のどこかにはいるのだろうか。