大谷 達也:自動車ライター

2024年 世界第3位に躍り出た自動車グループ「ヒョンデ」
「コナ」は韓国の自動車メーカー「ヒョンデ(Hyundai)」が「アイオニック 5」に続いて日本市場に投入した2モデル目の電気自動車(EV)である。
ヒョンデについて詳しくない読者のためにご紹介すると、現代(ヒョンデ)グループの一員である同社は韓国最大の自動車メーカー。傘下の自動車ブランド「起亜(キア)」やプレミカーブランド「ジェネシス」を含むヒョンデ・グループとして2024年に全世界で723万台を販売し、トヨタ・グループ(1082万台)、フォルクスワーゲン・グループ(903万台)に次ぐ世界3位の規模を誇っている。
日本市場については、2001年に一度進出を試みたものの、販売が振るわなかったために2010年に撤退。その後、2020年にはEVや燃料電池車(FCV)などのゼロ・エミッションカーのみを販売する方針で日本市場への復帰を果たした。
肝心のコナは、全長4355mmとコンパクトなEV。これと似たサイズのEVといえば日本車ではレクサスUX300eくらいか。いっぽうの輸入車ではプジョーe208、フィアット600e、ミニ・カントリーマンのEVなどが挙げられる。いわゆるBセグメントと呼ばれるカテゴリーだ。

外観は、フロントグリルを持たない点がEVらしいが、ヘッドライトと思しき部分に細いLEDのラインが横一直線に並んでいて、未来感を打ち出している。ただし、個人的な好みでいえば、ボディーサイドはデザイン要素が多くてやや込み入った印象を受ける。この辺は好みの分かれるところからもしれないが、ボディーパネルの精度は高そうで、クラスを超えたクォリティ感が伝わってくる。

インテリアはメーターパネルとセンターディスプレイをつなげた大型の表示部分が目につくが、よくよく見ると、センターコンソールやステアリング上には、タッチパネル式ではない「物理スイッチ」が数多く並んでいて、ベテランドライバーがよく知る「自動車感」に溢れている。ちなみにシフトセレクターはコラムから生えているレバー式で、メルセデスベンツによく似たタイプ。これなら、あらかじめインストラクションを受けなくても迷わずに操作できそうだ。
