- 韓国・現代自動車(ヒョンデ)が6月、日本で新型EV「IONIQ 5 N」を発売する。
- 650馬力のハイパフォーマンスカーの実力をサーキットで全開走行して確かめた。
- そこにはポルシェやアウディのEVにもない「楽しすぎる」仕掛けが満載だった。(JBpress)
(桃田健史:自動車ジャーナリスト)
欧米で先行実施された報道陣向け試乗会で、各メディアが絶賛した韓国・現代自動車(ヒョンデ)「IONIQ 5 N」を日本国内のサーキットで走行させる機会を得た。
ヒョンデは2022年、12年ぶりに日本市場に再上陸した。日本向けは電気自動車(EV)と燃料電池車(FCEV)に限定し、注文はすべてオンラインのみという斬新なビジネスモデルに、ユーザーはもとより自動車業界から注目が集まっていた。
ヒョンデは国内販売台数を自社では公表していないが、日本自動車輸入組合(JAIA)の輸入車新規登録台数によると2023年4月から2024年3月の1年間に585台だった。これは、輸入車台数最上位のメルセデス・ベンツのわずか1%に過ぎず、フェラーリの約3分の1、そしてランボルギーニより72台少ない。現状では、極めてニッチなブランドといえる。
23年後半に、エントリーEVモデル「KONA」を導入しているが、ヒョンデによれば昨年度実績のほとんどが「IONIQ 5」だという。
こうした中、ヒョンデはハイパフォーマンスモデルの「IONIQ 5 N」を6月5日に日本に導入する。ウリは、478kW(650PS)という大出力の四輪駆動システムが繰り出す、異次元の走りだ。
試乗は4月半ばだったが、夏のような日差しで気温は30度近かった。
場所は、千葉県袖ケ浦市の袖ケ浦フォレストレースウェイ。ここは都心からアクアラインを通って1時間程度の距離にあり、自動車メーカー各社が報道陣向けに新車試乗会を行うことも珍しくない。
EVでは、トヨタ「bZ4X」試乗会が2022年にこの地で実施され、筆者も参加している。
では、IONIQ 5 Nのスペックから紹介する。