2025年11月21日、台湾台北市で開催された鴻海テックデーでフォックストロンの新型モデルT電気バスが展示された(写真:新華社/アフロ)
(井元 康一郎:自動車ジャーナリスト)
EVバスの新会社設立に踏み切った鴻海と三菱ふそうの戦略
今年1月22日、三菱ふそうトラック・バスと台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は日本にバス開発・製造のための新たな合弁会社を設立すると発表した。
出資比率は三菱ふそう、鴻海がそれぞれ50%で、新会社のCEO(最高経営責任者)には三菱ふそうの高羅克人氏が、会長には元日産自動車で現在鴻海のEV事業のトップ(CSO=最高戦略責任者)を務める関潤氏が就任予定であるという。
バス事業に関する合同記者会見を開いた三菱ふそうトラック・バスと鴻海精密工業。(右から)関潤・鴻海精密工業グループ最高戦略責任者、高羅克人・三菱ふそうトラック・バス バス事業本部長、カール・デッペン・三菱ふそうトラック・バス社長(2026年1月22日、写真:日刊工業新聞/共同通信イメージズ)
両社の発表によれば、新会社はバス専業。鴻海傘下の自動車メーカー、フォックストロンのプラットフォームを用いた電動バスの研究開発・生産と既存のディーゼルバス事業の両方を展開する計画だ。
両社は昨年8月にバス事業を巡る協業を発表していたが、今回の新会社設立はその大きな一歩に位置付けられる。
三菱ふそうと鴻海はなぜバス事業の協業に踏み切ったのか。今日における世界のバス業界の二大テーマは、電動化によるCO2排出量削減と自動運転対応。それで世界の競争に打ち勝つという当面の目標はもちろん両社共通だ。しかし、その目標を巡る両社の状況は異なる。異なるからこそ協業が成立したと言っていいだろう。