千葉県内で1月後半に実施されたスズキ「eビターラ」公道試乗会の様子(写真:筆者撮影)
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スズキ初のグローバル戦略EV「eビターラ」を千葉県内の公道で試乗した。昨年6月には袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県袖ケ浦市)で同モデルのプロトタイプに試乗しているが、今回は量産車を公道で走らせた(当時の試乗レポート「スズキ初のEV世界戦略車「eビターラ」、思いきり走って感じたキビキビとしたシャープな乗り心地」)。試乗後、スズキの開発関係者や営業部門関係者らとの意見交換をして、分かったことがいろいろあった。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 まず、車両スペックを確認しておこう。

 ボディ寸法は、全長4275mm×全幅1800mm×全高1640mm、ホイールベースが2700mmで、グローバル市場では小型車を指すBセグメントに属する。Bセグメントで4WDのEVは珍しい存在だ。

 駆動方式は2WD(前輪駆動車)と4WD(四輪駆動車)の2タイプを設定した。

「e ビターラ」の前輪駆動ユニットなど(写真:筆者撮影)

 グレードラインアップとしては2WDのエントリーモデルであるXグレード(399万3000円)の電池容量は49kWhで、上級のZグレード(448万8000円)は61kWhを採用する。4WDは61kWh電池搭載のZグレード(492万8000円)となる。

 今回はこのうち、2WDのZグレードと4WDのZグレードを、順番に乗り比べた。

欧州車のようなキビキビした走り

 まず、2WDに乗るとキビキビした走りが心地いい。

 eビターラは主に日本、欧州、インドでの販売拡大を目指すが、日本仕様は欧州仕様とサスペンションやタイヤの設定が同じだ。つまり、走りのキビキビさは欧州車の雰囲気に近い。

 プロトタイプ試乗会でもスズキの開発関係者はこうしたキビキビ感を強調していた。だが、サーキット走行では走行速度域が高いため、筆者は、eビターラ本来の持ち味をしっかり受け止めることができなかった。

 もちろんタイムアタックをするようなハードな走りをしたわけではなく、走行速度は抑えていたし、コース上ではパイロンを立てて、比較的低速で走行するクランクコーナーが設けられていた。だがそれでもやはり、実際の市街地走行とは、クルマの感じ方が違う。

 サーキット走行では低速コーナーでのハンドルの切り出しで、パワーステアリングがやや重めに感じた。しかし今回、市街地を走らせてみると、パワーステアリングの重さはあまり気にならなかった。

 これは、サーキットでは高速から急減速するシチュエーションであったことや、サーキットではタイヤに対する路面の抵抗力が大きいことなどが関係しているのではないだろうか。