グイグイとクルマを前に押し出していく4WD
一方で、eビターラ4WDの走り味はずっしりしている。2WDとの重量差は100kgあり、これは後輪駆動ユニット(eアクスル)によるものだ。電池容量は61kWhで変わらないので、後輪駆動ユニットを搭載するクルマの後部がずっしりしている。
その上で走り味は、4WDシステム全体がクルマ全体をグイグイと前に押し出すようなパンチがある。これは駆動のトルク力を走行状況に応じて前後輪で独立して制御するALLGRIPの効果だ。
4WDシステム「ALLGRIP」は雪道など滑りやすい走行環境で本領を発揮する。スズキのプレゼンテーションの様子(写真:筆者撮影)
プロトタイプでもこうした力強さは感じたものの、絶対的なパワーは前輪と後輪を合わせて135kWと、近年登場しているEVの中では決して強烈なパワーではない。
そのため、低速度域から中速度域まではグイグイとパワー感があるが、中速度域を超えるとパワー感は安定する。それが中速度域で走行する高速道路では、そうしたグイグイ感が上手くマッチするのだ。
ドライブモードは、走行中の感覚としては、ECOモードが2WDのNORMALモード、NORMALモードが2WDのSPORTモードといったイメージに感じる。さらにその上である4WDのSPORTモードは、アクセル操作に対するモーター出力の増幅の度合いが大きく、走りのグイグイ感を強めている。
ハンドリングは、市街地はマイルドで時速30キロ前後を境にした加速・減速時にパワーステアリングの重さが変化することが分かる。
また、高速道路での大きなコーナーでのハンドリングは、2WDで感じたようなパワーステアリングの強弱の変化があまり起こらず、マイルドさを優先していた。
プロトタイプに試乗した際には、ハンドルを大きく切るシーンや、クルマが左右に大きく振れるようなスラローム走行のシーンで、eビターラ4WDの旋回性の高さを実感した。
今回の走行ルートにあるコーナーでは、ALLGRIPは必要に応じて作動しているものの、グイグイ曲がるという感覚よりも、安心・安定感を重視する走りに感じる。ALLGRIPは降雪地域や路面の凹凸が大きな未舗装路で効果が顕著に現れるはずだ。