「ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展」展示風景
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(ライター、構成作家:川岸 徹)

建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)の没後100年と、サグラダ・ファミリアのメインタワー「イエスの塔」の完成予定を記念した展覧会「ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展」が東京・天王洲の寺田倉庫 G1ビルで開幕した。ガウディ財団の全面協力のもと、ガウディの手記や直筆の書簡、制作道具、模型、スケッチなど貴重な資料を公開。さらに体験型アートで知られるクリエイティブカンパニーNAKED, INC.の会場演出により、ガウディの世界を学術と体験の両面から読み解くことができる。

自然こそが最高の師

 ガウディの建築を実際に目にした人から、「好き」「嫌い」あるいは「美しい」「グロテスク」といった両極の声があがるのはなんら不思議なことではない。それは、自由に伸びた木の枝や貝の渦巻き、虫の形態、蝶の羽の模様を見た時の印象と近い。自然の造形と対峙した時に、人は賛否様々な感想をもつものだ。

 ガウディは「自然こそが最高の師である」と述べている。1852年、スペイン・カタルーニャ地方レウスに生まれたアントニ・ガウディは幼少期からリウマチに苦しみ、さらに繊細な性格であったため、ひとり静かに自然の中で過ごすことが多かった。その幼少時代の体験がガウディ独自の観察眼を育てることになる。

 ガウディは1874年にバルセロナ建築学校に進学し、正式に建築を学び始めた。以降、ガウディは自然を重視した建築を探求していくが、神がつくり上げた自然の造形に倣って無(ゼロ)から何かを築き上げようとしたわけではない。人間が神の領域に踏み込めないことを、ガウディは正しく認識していた。

「創造の再生——原点への回帰」、「独創性とは、原点に戻ることである。」ガウディは「形」というものはすでに自然や歴史の中に存在していて、それを見つけ出すことが創作の出発点だと考えていた。だからガウディは自然に目を向けるとともに、歴史上の建築物にも注目した。スペイン特有のイスラム建築や中世ゴシックの様式を学び、リバイバル建築に取り組んでいる。