トランプ関税に違憲判決を出した米最高裁(写真:AP/アフロ)
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(菅原 淳一:オウルズコンサルティンググループ・シニアフェロー)

 米最高裁の違法判決により、相互関税などのトランプ関税の一部が無効となった。トランプ政権は、これまでのように大統領令によってほぼ制約なく関税を賦課することはできなくなった。

 他方で、短期的には日本企業の対米輸出はむしろ不利になりそうだ。ただし、この状況は一時的なものとなるだろう。では、今後のトランプ関税はどうなっていくのか。また、日米関税合意はどうなるのだろうか。

米最高裁の違法判決

 2026年2月20日、多くの人が持ち望んでいたトランプ関税に関する米最高裁判所の判決が出た。大方の予想通り、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づくトランプ大統領による関税の賦課が違法とされた。米国においては憲法上、関税賦課は議会の権限であり、同法によって議会は大統領に対してその権限を授権していないというのが主たる理由だ。

 同判決によって、IEEPAに基づいて発動されていた①日本を含む多くの国に課されていた相互関税、②中国・カナダ・メキシコに課されていた違法薬物(フェンタニル)の流入等を理由とした関税、③ブラジルに課されていた関税などが無効となった。

 これまでに徴収された最大2000億ドルともいわれる関税の還付が問題となるが、これについて最高裁判決は言及しておらず、今後の司法判断を待つことになる。