トランプ大統領が明らかにした新たな関税発動

 これを受け、トランプ大統領はただちに1974年通商法122条に基づく関税の発動を明らかにした。同条は、「巨額かつ深刻な赤字」等の国際収支問題に対処するため、150日を超えない期間(議会により延長可)、従価税率15%を超えない関税等を課す権限を大統領に与えている。

 2月20日に公表された大統領布告では、2月24日から全世界に対して10%の関税を賦課するとされているが、その後トランプ大統領はこれを15%に引き上げる意向を示した。

 同関税は、15%という上限とともに、原則として無差別に適用されることとされており、これまでのように国別に自由に関税率を設定することはできない。また、基本的な関税率(最恵国待遇(MFN)税率)に上乗せして課される。

 1962年通商拡大法232条に基づく自動車や鉄鋼などの分野別関税と重畳的に課されることはなく、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の要件を満たす製品にも課されない。さらに、付属書に掲載されている牛肉やオレンジなどの農産物や医薬品等も適用が免除される。

 今回の最高裁判決は、トランプ政権による恣意的な関税賦課に一定の歯止めをかけることにはなったが、短期的には日本企業には不利に働くことになりそうだ。