最高裁判決前に比べて高い関税率を課される日本企業

 無効となったIEEPAに基づく相互関税は、日本に対しては15%が課されていたが、日米合意によって、MFN税率15%未満品目には15%、15%以上品目にはMFN税率を課す特例措置が適用されていた。

 しかし、大統領布告ではこれについて何も言及がない。したがって、この点について何らかの措置が取られなければ、今後日本には他国同様、MFN税率に15%追加された関税率が課されることになるとみられる。

 グローバル・トレード・アラート(GTA)の試算によれば、相互関税の下での対日平均関税率は14.9%だったが、相互関税の無効化により9.9%に低下、これが122条関税15%の賦課によって15.4%に上昇する。

 つまり、日本は最高裁判決前に比べて高い関税率を課されることになる。これは、日本と同様の特例が認められていたEU(欧州連合)や韓国も同じだ。

 他方で、日本(15%)より高い関税率を課されていた諸国は、122条関税への移行によって関税率が下がることになる。いわゆるフェンタニル関税が課されていた中国やカナダ、メキシコだけでなく、相互関税率が15%よりも高かったベトナムやマレーシア、インドなど多くの国がこれに当たる。

 日本とこれら諸国との対米輸出時の平均関税率差が縮小するか、あるいは、他国の方が平均関税率は低くなる。

 ただし、この状況は一時的なものとなるだろう。122条関税についても、その発動の違法性がすでに指摘されているし、関税率や発動期間などの制約が大きい。