スバル初のリテール向けストロングハイブリッド「クロストレックS:HEV」のフロントビュー(筆者撮影)
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(井元 康一郎:自動車ジャーナリスト)

「クロストレック」「フォレスター」で掴んだストロングハイブリッドの手応え

 2024年冬にコンパクトクラスのクロスオーバー「クロストレック」に初めてストロングハイブリッド「S:HEV」を投入したスバル。2025年には主力SUV「フォレスター」にもフルモデルチェンジを機に採用した。

スバルの主力SUV、フォレスターにもストロングハイブリッドS:HEVが採用された(筆者撮影)

 スバルは2013年以来、小型電気モーターを使ったマイルドハイブリッドをラインアップしてきたが、燃費削減効果が限定的で、世界的に厳格化が進んでいるCAFE(企業別平均燃費)規制への対応は難しかった。そこで取った苦肉の策が、提携先であるトヨタ自動車からハイブリッド技術の供与を受けてストロングハイブリッドを作るというもの。

 実は2019年にプラグインハイブリッドという形でストロングハイブリッドをアメリカ市場に投入した実績があるが、価格が高かったこともあって一般顧客にはほとんど売れなかった。本格的なリテール向けのストロングハイブリッドとしては、S:HEVが事実上の第1弾と言える。

 発売前、スバル関係者はS:HEVが売れるかどうか、気をもんでいた。フルハイブリッドとも呼ばれるストロングハイブリッドはパワフルで燃費性能に優れる半面、コストが高いというデメリットも持つ。S:HEVの場合、マイルドハイブリッドやターボ車に比べて30万円強高い。

 また、トヨタからの技術供与によるパワートレインであることがスバルファンにどう受け取られるかも未知数だった。しかし、フタを開けてみると両モデルともS:HEV車が最多販売のパワートレインになるなど順調な滑り出しを見せた。スバルとしては一安心といったところだろう。

 気になるのは、S:HEVが今後長きにわたってスバルの販売のけん引役であり続けられるかどうかだ。最初にS:HEVが搭載されたクロストレックを700kmほど走らせ、パフォーマンスや商品性を検証してみたので、過去にテストドライブしたマイルドハイブリッドと対比させつつレビューをお届けしようと思う。

クロストレックS:HEVのサイドビュー。悪路でのけん引力に定評があり、アメリカでは大人気(筆者撮影)