【走り】マイルドHVとは別物──段違いな中間加速の伸び

 要素別にもう少し深掘りしていこう。まずは走りだが、全般的にパワフルで、日本の速度域であれば発進加速、中間加速とも素晴らしいダッシュ力をみせた。

 従来の2リットル+小型モーターのマイルドハイブリッドもエンジン回転数を低く抑えたまま加速できるという大排気量エンジン的なフィールがあったが、性能の絶対値では比較にならない。

 2.5リットル水平対向エンジンと電気モーターが同時に出せる合成出力は推定200馬力強と、同社のスポーツ系ターボエンジンやBEV(バッテリー式電気自動車)「ソルテラ」の駆動用モーターに次ぐ。Cセグメントコンパクトクラスの実用車にとっては正直、オーバースペックだ。

 クロストレックの車格、キャラクターを考えると、ストロングハイブリッドであれば2リットルくらいのエンジンでも十分なパワー感は得られたであろうし、そのほうが燃費も稼ぎやすかったはず。

 だが、企業規模の小さいスバルにとって2種類のハイブリッド用エンジンを用意するのは荷が重かったのだろう。より車重の大きなフォレスターをターゲットとしてシステムをひとつに絞り、それをクロストレックに先行搭載するほうがトータルでコストを抑えられると判断したものと推察される。

クロストレックS:HEVの前席。ピラーによる遮蔽が少なく視界が優れているのはスバル車の美点(筆者撮影)