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 トランプ新政権による「ディール型外交」、激化する関税戦争、泥沼化するウクライナ・中東情勢――世界は今、誰も予測できない分断と混乱の渦中にある。日本はどう生き残るべきなのか。マッキンゼー元日本支社長で経営コンサルタントの大前研一氏が著した『日本の論点2026-27』(大前研一著/プレジデント社)から一部を抜粋。米中が覇権を懸けて競うAI開発競争、そして30年以上停滞し続ける日本のGDP。この2つの論点から、日本が進むべき針路を問う。

 名目GDPで日本を抜き、世界3位となったドイツ。人口は日本の3分の2しかいない。かつて日本を手本にしていた国に、なぜ逆転されたのか。両国の明暗を分けた要因について分析する。

人口が3分の2のドイツに負けた日本

日本の論点2026-27』(プレジデント社)

 日本とドイツの差が開いている。日本の名目GDPがドイツに抜かれて第4位になったのは2023年だった。その当時の内閣府の統計では、その差は約2455億ドルだったが、IMF(国際通貨基金)の2025年4月時点の推定値によると、2025年は日本が約4兆1864億ドル、ドイツが約4兆7448億ドルで、両国の差は約5584億ドルと2倍以上に拡大する見込みだ。

 2010年に中国に抜かれて第2位から第3位に転落したときは、「中国は人口が多いから」と負け惜しみを言う日本人は多かった。実際、中国の人口は日本の10倍以上である。

 しかし、ドイツ相手にその言い訳は通用しない。2023年時点での人口は、日本が約1億2000万人に対して、ドイツが約8400万人である。つまり、日本は人口がおよそ3分の2の国に負けているのだ。当然、一人当たりの名目GDP(IMF2025年推定値)は、ドイツの約5万5911ドルに対して、日本は3万3956ドルと、完敗している。

 日本とドイツはともに第二次世界大戦の敗戦国として再出発しているが、現在は明暗がはっきりと分かれた。はたして、どこが分岐点となったのか。